一投に賭けるを読みました。刊行後から気にはなっていましたが、ようやく入手。数々の伝説が残る槍投げの溝口和洋選手、その独白に近い形で書かれた本です。1989年にサンノゼ国際グランプリで出した87m60cmは現在も日本記録であり、計測当初は8cm長く発表され当時の世界記録を更新したといわれました。
大事な試合前に女を抱く、試合中にタバコを吸う、終われば呑みに行くという所業が批判を受けますが、実態は全て槍を遠くに投げるための実験だった、ということです。
トレーニングの常識を疑い、良否を自ら試した上で行動を決めていたののです。
ウェイトトレーニングを重視し、常軌を逸した練習量を自らに課しましたが、それもまた意味のあるものでした。究極の現実主義者、徹底した実証主義者といえると思います。
槍を遠くに飛ばすためになにをしたら良いのか考えることは、どうやったら速く走れるのか考えることと一緒だと思います。
私の敬愛するPercy Cerutty翁も常識を疑った実証主義者で、ウェイトトレーニングを重視し、長距離競技に活かしました。
万人にとって良いもの(常識)というものはなく、自分にとって良いものを取り入れていく姿勢は大切だと思いました。
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